半ダースの犬4 延長戦 番外3

先に起きたのは、アリサでした。

アリサ「アタシ、馬鹿だからさぁ。少しはこのお屋敷に相応しい人間にならないとね」



という訳で、本棚に入っていた『料理』スキル本第1巻を読みます。

『誰かにメールを送る』願望。

爺様「春暁に送ってやる。何故結婚式出席しなかったのかを問い詰めなければな」

爺様「うん。親を馬鹿にして」

願望クリア。
あと残っているのは、『アリサとおしゃべりする』だけです。
でも、今はアリサの邪魔をして欲しくないなぁ。

外を見たら、しずくがハル坊を連れて散歩をしていました。

てか、今、朝の5時半だよ?

なのに散歩だけではなく、お向かいの家に行くのか?
ハル坊、腹減りじゃないですかぁ。

マジで訪問した!

ハル坊を置いて行くのか?

何故外に置いて行く?
置いて行かないとドアも開けられないのか?

まぁ、歩けるから自分で入っていくんでしょうけれどね。

なんかもう、色々見ていられないので(アリサが勉強をしていて暇だし)、
爺様もお向かいに向かいます。

爺様「ごめんください」

ジャネット「あら? 佳近さん? いらっしゃい」

爺様「すまないね。朝早くから」
ジャ「いえいえ、ウチは早起きですから」

しず「なんですか、お爺様」
爺様「いろいろ気になってね」
しず「何がですか?」

爺様「何よりも一番気になったのは、お前の服だよ。フォーマルでベビーカーだなんて」

はい。着替えさせました。
早朝から、女性二人暮らしの家に来ている事は、爺様的にはどうでもいい。

しず。oO(ちっ! その為にわざわざ来たのかよ。あぁ、向かいだもんな)

お邪魔してしまったからには、受け入れてくれたジャネットとお喋りをしないと申し訳ない。

アリサは、やっと『料理』スキルがレベル1になりました。

アリサ「料理むずかしー! アタシの頭に入んないよぉ」

爺様は、しずくのギターを聞きに行ってしまいました。
でも余所様で、エレキギターを早朝から弾くって、どうなの?

ジャネット。oO(佳近さん、新参の若い子と結婚したのよね? もう飽きたのかしら?)

そうそう。爺様の『生涯の願望』は『ロマンスの達人』でした。
折角独身女性の所に来たなら、口説かなきゃいかんよなぁ。

わはは!
お腹を空かせて、去られてしまいましたよ。
爺様、ダメじゃん。
おや? あれだけ『空腹』を訴えていたハル坊が、今は吹き出しを上げていません。
誰か、何かをくれたとは思えないんですが……。

全く。しずくは何をしにこの家に来たのやら。

爺様。oO(まさか、向かいの家から私を観察に? 
      私がここへ来てしまったから、誤魔化すためにギターを弾き始めたのか?)


爺様「ハル坊、そうなのかい?」
春生「ちらない」

爺様「そうか。白状しないんだな? ではくすぐりの刑だ」
春生「きゃはははは」

爺様「ひ孫と暮らす生活は楽しいんだけれどね。私はそこまで枯れていない。
   自分の子が欲しいんだよ」

爺様「じゃあね。春生。また会おうね」
春生「じいちゃ。ばいばい」

郵便物が来ていたので、家に入る前にポストを開けて貰いました。

爺様「おやおや。マリリンはさっきの家のダイニングにいたじゃないか。
   挨拶をするのを忘れたね。私としたことが」

マリリン嬢は、何故かダイニングで奇声を上げていたのでした。

『メガホンを使う』願望。

願望クリア。

朝の8時を過ぎました。
郵便屋さんが、驚いています。

郵便「やだ。ここが5つ星セレブの家だってのは知ってたけど、
   こんな時間に外にいるとは……」

郵便「眼福、眼福♥」

郵便屋さんと話をしようと思ったんですが、逃げられました。
仕事中だものね。仕方ない。

爺様は、『キャロル・ルイスにメールを送る』願望を出したんですが、誰よ?
あぁ、今の郵便配達員さんですね。
『人間関係』に入っていないので、メールなんて遅れませんって。
(探しちゃったよ)

あら。もう一回メガホンを使うんですか?

政治に暴言を吐くのはいいですが、
不良まっしぐらの爺様は厄介ですから、出来ればやめて欲しい。

アリサ「やっと1冊読んだよぉ。はぁ、頭の中ぐちゃぐちゃだぁ」

爺様「アリサはまだ若い。好きな事を好きなようにさせてやってくれ。
   金は、アリサが何にいくら使おうと、文句はないから」
執事「かしこまりました」

爺様「若い男に貢ぐようでは困るがな。例えば君のような」
執事「滅相もない」

アリサは、プシューに引き寄せられていました。

爺様「どうだい、この家は。居心地はどうだ?」
アリ「あたし、ヨシリンが居るなら、ホームレスでもいいんだよ(嘘八百)」

爺様「私にホームレス暮らしは出来ないからね。それは勘弁しておくれ」


アリ「そだねぇ。アタシはもう少し、こじんまりした家が好きだけどさ。
   なにせこの家、階段ばっかりで、めんどくさい」
爺様「コンドミニアムなら、もっと階段があるよ?」
アリ「うわー! 『家の中に階段があるなんて珍しいお家なのね』とか言うのが、
   ホントのお金持ちの発想だと思ってたよ」

ここでふと思い出しました。あぁポイントが溜まってた。
アリサに『日和見主義』を購入します。

真っ先に付けるのが『日和見』だなんて。(-_-;)
アリサちゃん、セレブになるのが早過ぎだったよ。

ポイントはまだあるので、
『不適切だがいい意味で 5,000』と『鉄のぼうこう 10,000』も購入。

アリ「アタシさぁ。なんかヨシリンの身内に嫌われちゃったみたいだしさぁ。
   この家に相応しくなれるように、勉強したいと思うんだ。遅いかな?」
爺様「私はどうでもいい事だと思うが、その向上心は素晴らしいね」

爺様「そうだ。この町に新しいサロンが出来たようだよ? 行ってみてはどうだい?
   スパも行っておいで」
アリ「サロン? という事はヨシリンは、アタシの格好が駄目だと言ってるわけね?」
爺様「そうではないよ。違うアリサも見てみたいという、願望さ」

という訳で、新しく設置したサロンに出かけたアリサ。
(あぁ、まだグレーだよ。車が早過ぎだ)

アリサ「ここね? なんかちょっと緊張するなぁ」

『イメージチェンジをして貰う』
この場にいる人に頼めるようですが、まずはスタイリストさんだね。

アリサ「うーん。この格好じゃ駄目なのかぁ。アタシは気に入ってるんだけどな。
    でも、この町は少しレトロだから、こういう格好は受け入れられないんだよね」

スタイリスト
「十七夜月家の新婚の奥様でいらっしゃいますね。イメージチェンジは大変結構ですが、 おぐしも整えた方がよろしいかと」

アリサ
「え? 服だけじゃ駄目なの? 髪も?」

スタイリスト
「今日は取りあえず、服をお見立ていたしましょう。いかがでございますか?」

アリサ「嘘でしょ? これは金持ちセレブの奥様の格好じゃないだろ、これは。
    私の好みではあるけどさ」

アリサ
「いいよ、もう。他の人に変わって貰うから」

スタイリスト
「あら、お気に召していただけませんでしたか」

ジャネット・トーランス嬢、登場。

ジャネット
「あら、これはいただけないわ。あのスタイリストは、この町を理解してないのよ」

ジャネット
「私のお勧めに着替えてみて」

ジャネット
「ほら、この町ではこういう格好が受けるのよ。ミニは駄目」

アリサ
「服はいいかもしれないけど、何故サングラス? モンテビスタじゃないでしょ? 
 ここは」

コンソート・キャップ氏登場。

アリサ
「男の好み、となれば、やっぱ男にお願いした方がいいんよね?」

コンソート
「まず靴だ。靴が駄目だよ」

コンソート
「ほら、鏡を見てごらん」

アリサ
「何故サングラスなんだよ。どいつもこいつも」

アリサ
「やっぱりこの町の奥様にお願いすべきだよね?」

コンテッサ・キャップ夫人登場。

コンテッサ
「あなたはお若いから、こういう格好でもよろしいんじゃないかしら?」

アリサ
「コンテッサさん。やる気ないでしょ? アタシの事嫌い?」

コンテッサ
「まぁ、おほほほほ」

アリサ「アタシはヨシリンの妻に相応しい格好をしたいだけなんだよ」

アリサ「自分のセンスは自信ないんだけどなぁ」

アリサ「こんなんで、どうだろ?」

アリサ「うん、ダサいけど、悪くないよね? 髪も何とか、チリチリを伸ばしたし」

アリサ「よし、次はスパだ」

アリサ「遅くなっちゃった。スタイリストさん、帰っちゃうし」

アリサ「そう言えば、ヨシリンの車、勝手に使ってるけど、叱られるかな?」

スパ到着です。

アリサ「スパなんて行った事ないし。緊張するなぁ」

自宅では、爺様が皿を洗っていたようです。
執事、仕事しろ!

そう言えば、ここのキッチンには、食洗機がなかったね。
2台設置しました。

爺様の『所持品』は、全部しずくに移動してしまいましたが、『家族の所持品』は爺様が持ち出しているので、メーカーから爺様に贈られたグランドピアノは持っていました。
しずくの家には、置き場がなかったのよね。

爺様の愛車は、スパにいるアリサの所持品の中から取り出して、駐車場に置きました。
爺様の『永遠の親友』なんだから、使っちゃ駄目です。

アリサ「はぁ~終わった終わった」

スパのフェイシャルでソバカスが綺麗に消えた、という事で、アリサのソバカスが無くなりました。
化粧も、チークはだいぶ薄くなりましたし、口紅の色も変わりました。
判んないですよね。違いなんてw

アリサ「あれ? リムジンが来ちゃったよ。でもいいか。
    サイン会に行くなら、リムジンで乗り付けるのも、スターらしいよね?」

チャンスの『サイン会』で、会場の書店に行きます。

マリリン「あら、アリサじゃない。見違えたわ」
アリサ 「……」
 
マリリン「あら、スルーなのね。スターになったからって、お高くとまっているの?
     なによ。佳近さんの御威光じゃないのさ」
アリサ 「そういう訳じゃないけど、これからサイン会なんだよ」
マリリン「ふん!」

爺様にやっと『ピアノ』スキルが付きました。

爺様「私がピアノを弾けないなんて事を知ったら、アリサががっかりすると困るからね」

サイン会が終わりました。
うわぁ。『日和見主義』が付いていても、200ポイントかぁ。

もう一つ、チャンスが入っていた筈だけれど、消えていました。
消した覚えはないんだけどなぁ。

アリサ「腹減ったぁ~」

アリサ「と、騒いでいる場合じゃないわ。なんか視線を感じるし、さっさと帰ろう」

爺様の三男アリョさんも、フォーマルで出歩いていたので、マスコンで修正しました。

アリサ「この車、御大層過ぎて嫌だなぁ。アタシに相応しくないし」

アリサ「ただいまー、って。ヨシリンは車の修理かな?」

その通りでした。

アリサ「執事にご飯を作って貰おうかな? でも待てないから、チャイでいいや」

アリ「ヨーシリン。帰ったよぉ」
爺様「おう。お帰り」

アリ「どう? 変じゃない?」


爺様「おうおう。この町のレディに相応しい格好だよ。誰に見立てて貰ったんだい?」
アリ「みんな駄目でさぁ。自分で選んだんだけど、大丈夫? これで」

爺様「それは素晴らしい。やはりアリサは、センスがあるんだよ」
アリ「そっかなー? でも喜んで貰えて嬉しいよ」

アリサ「あたしさぁ。もっと色々頑張るからね。でもそれはそれとして、ヨシリン。
    アタシに車買ってくれない? リムジンはアタシには似合わないでしょ?
    安いのでいいからさぁ」

爺様「そうだね。
   あんなものは、卒業パーティーに行く時に乗るくらいでいいんだ」

爺様「もう1台、同じ車があるんだ。赤く塗っておいたよ」

メーカーからの贈り物で、しずくが乗っていたものですが、しずくは『機動移動車』に乗り換えたので、不要となり『家族の所持品』に入っていたものです。
 
アリ「えぇー? これ、高級車だよね? 早くてカッコいいと思うけど、
   アタシには似合わないよ?」
爺様「でも、乗り心地は確認済みだろ? 今更ポンコツには乗れないさ」

アリ「勝手に使っちゃったのは、バレてたか」
爺様「これが嫌なら、パトカーもあるけど?」
アリ「そ、それは勘弁!」

アリ「ヨシリン、アタシを甘やかしすぎだ」
爺様「何を言っている。買った訳じゃないよ。違うのが良ければ、好きに買えばいい」

アリ「ううん、これがいい。早いもんね。かっ飛んでる感じで、気分いいし」

アリ「ヨシリンと結婚しなかったら、こんないい車、アタシ一生乗れなかったろうなぁ」
爺様「そんな事はないよ。その内メーカーから勝手に送って来る」

そして、夜。

アリ「寝間着も変えたんだけど、ヨシリン、気に入ってくれるかな?」

アリ「ヨシリーン。はやくぅ」
爺様「はいはい」


『ウフフな事』は自主的にやってくれますから、放置なんですが、
チャイムが鳴ったあたり、『赤ちゃんを作ろうとする!』だったんですね。
見てなかったよ。(-_-;)

アリ「出来ちゃったかも」
爺様「そうかい?」

アリサは、ベッドから出て、車の修理をやりに行こうとしていたので、着替えさせました。

爺様との結婚はマスコンでの無理矢理だったため、アリサは旧姓のままだったのですが、日本語入力をすると、また落ちるようになってしまって。(-_-;)

でも翌日、起動してすぐなら、入力が出来ました。
アリサも『十七夜月』姓にする事が出来て嬉しい!

爺様「この年から自分の子かぁ。成長するまで、生きていられるだろうか」

でも爺様は驚異の長生きでしたからね。大丈夫な気がしてならないですw



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ここで終了します。

不具合多発で『プロポーズ』も『結婚』もうまく行かなかったので、『玉の輿』をちゃんとやりたいと思っていたところ、『チャレンジ・玉の輿』が出現してしまいましたよ。
某K様。いつもありがとうございます。

でも『生涯の願望』の『玉の輿』って、貰える幸福ポイントが低い割には、大変難しいようですから(某Ke様情報)、出来るかどうか判りませんが、 そちらをやってみます。